純国産カヌープロジェクト – 試験・評価

3次元測定：寸法、加工精度の確認

テックラボでは組み上げた完成品に対し、3次元測定器を用いて高精度な寸法検査を実施します。
今回のカヌーはバイオミメティクスを用いた流体力学を採用しており、寸法精度が狂ってしまうとその性能を発揮できません。
測定器のデータとCADのデータを合わせ、精度に問題がないことを確認しました。

3次元測定

非破壊検査：接着状態の確認

溶接のクラック検査などに用いられる非破壊検査ですが、CFRP製品の接着面の検査にも適用します。
瞬間接着剤のようなものをイメージされ、剥がれなければ問題ないと思われがちですが、実はそうではありません。接着層に気泡が存在したり、意図しない厚さであった場合、それは思わぬ損傷や事故につながってしまいます。
テックラボでは、外観だけではなく、内部も確実に検査した製品を提供すべきと考えており、本カヌーの状態についても確認を行いました。

非破壊検査

水上テスト

クライアントの要望や、プロジェクトの特徴によっては、性能検査に立ち会うことも可能です。
今回、水漏れ確認などの事前の試験は実施し、問題ないことは確認していましたが、不足の事態に備えて工具一式を持ちだし、性能検査に同席しました。
試作機、開発試験ではトラブルがつきものです。テックラボでは出張での応急処置や、開発センターでの修理も承っております。

水上テスト

プロジェクトを振り返って

今回、コンセプト段階から試作機製作までをお手伝いさせていただきました。プロジェクト開始時点では外寸すら決まっておらず、予算や納期も不確定なことが多い怪しい状態でしたが、試作開発プロジェクトではよくあることで、やりきれる自信はありました。
どうすれば実現できるか、どこをおさえればお客様の理想に近づけるか等、試行錯誤しながらも弊社の経験を上手に織り交ぜ、テスト可能な実機を納品することができました。

国内ではほとんど事例のないカヌー製作に貢献できたこと、形が少しづつ現実化していく過程を経験し、ものづくりの楽しさを改めて実感できたことを嬉しく思います。
今後も、さらなる改良、開発をご支援させていただければと思います。

プロジェクト責任者 郷慎之輔